作家の松下竜一さんが17日午前4時25分、肺出血の出血性ショックのため死去した。67歳だった。
葬儀は近親者のみで行い、後日「偲ぶつどい」を開く予定。
自宅は大分県中津市船場町***。
松下さんは、自伝的作品「豆腐屋の四季」や、反権力を貫く人々を描いたノンフィクション、ミニコミ誌「草の根通信」の発行などで知られている。
大分県中津市生まれた松下さんは、家業の豆腐屋を継ぎ、厳しく貧しい青春の日々を、短歌とともにつづった「豆腐屋の四季」(69年)でデビューした。「豆腐屋の四季」は、テレビドラマにもなり、話題を呼んだ。
70年から作家に専念。
73年、「環境権」を掲げて豊前火力発電所の建設差し止めを求め、市民らと計7人で提訴。代理人なしの本人訴訟としても注目された。
85年には最高裁で敗訴が確定したが、運動の機関誌「草の根通信」は発行し続け、市民団体の交流の場となった。
96年には、清貧な生き方を軽妙につづったエッセー
「底ぬけビンボー暮らし」を著した。
「豆腐屋の四季」のテレビドラマで主演した俳優の緒形拳さんの話
昨年、全集刊行のお祝いで自宅にお邪魔して「豆腐屋の四季」のビデオを一緒に見ました。私が松下さんに似ていると話題になりました。「著作を映画化しましょうよ」と言うと「難しいよ」と応えていました。まだまだこれからなのに残念です。